コールトラッキング(電話計測)ツールは、お電話による問い合わせを計測することができるツールです。
しかし具体的に何ができるのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コールトラッキングの仕組みやコールトラッキングツールのメリット・デメリット、選び方について詳しく解説します。
目次
コールトラッキングとは、電話の入電を成果地点として測定することを指し、電話CV(コンバージョン)計測、電話計測、入電計測などとも呼ばれます。
通常、電話はWEBサイトの成果地点として計測することはできませんが、コールトラッキングツールを使用することで計測可能になります。
コールトラッキングツールを使用すれば、アクセス解析で取得しているCVと同様に、流入経路やキーワード単位で電話の分析が可能になります。
さらに、新聞や雑誌、チラシなどのオフライン広告からの流入もコールトラッキングを導入することで計測でき、広告全般の最適化にも効果があります。
なお、一部の広告媒体でコールトラッキングの仕組みを提供していますが、フリーダイヤルを使用することができないなどの制約があるため、実用的ではありません。
コールトラッキングは、計測用の電話番号を利用してデータを可視化する仕組みです。
広告やメディアに計測用の電話番号を提供し、ユーザーはその番号に対して電話をかけます。
これにより、データの可視化が可能となるのです。
計測用の電話番号を利用してかかってきた電話は、コールセンターに転送されるだけでなく、自動音声やガイダンス機能で対応することもできます。
さらに、電話番号に関連する計測データ(媒体ごとの電話数、電話CVキーワード、日時、発信者電話番号など)を収集し、分析することも可能です。
コールトラッキングツールは、提供する企業によって多少は仕組みが異なるものの、リスティング広告、ディスプレイ広告、メールマガジンなどの流入経路によって入電履歴を取得することができます。
これにより、WEB CVと同様に電話CVを扱えるようになり、電話CVの経路別CPA(Cost Per Action、顧客獲得単価)やROAS(Return On Advertising Spend、広告の費用対効果)を算出できるようになります。
広告の費用対効果を評価する際に、電話からの問い合わせや注文を考慮せずWEB CVだけで評価すると、実際の結果と異なることがあります。
特に、比較的年齢の高いユーザー層や緊急性の高いサービスでは、電話からの問い合わせの方が受注率や単価が高いことが多いため、コールトラッキングツールを使用して電話CVを計測し、広告の費用対効果を正確に算出することが重要です。
コールトラッキングツールを導入するメリットを4つ紹介します。
コールトラッキングツールを利用することで、電話番号ごとの流入経路が測定できます。
そのため、広告に対しどれくらいの効果があったのかを可視化することができ、その上でオフライン広告とオンライン広告の最適化ができます。
コールトラッキングツールにはIVR(自動音声応答システム)やガイダンス再生機能を装備しているサービスが多いです。
これらは、お客様の電話に合成音声や録音音声で応答したうえで、お客様自身に必要な操作を行ってもらったり、担当者へ電話を転送したりする機能を有しています。
このような機能によって、担当者はすべての電話に応答する必要がなくなるため、顧客対応が効率化できます。また、お客様としても効率良く担当部署へ電話をつなげてもらえるため、相互にメリットがあると言えるでしょう。
コールトラッキングツールには、お客様からの電話に応答できなかった際にメールやSMSを送れる仕組みを有しているものも多いです。
この仕組みを利用することで、せっかく問い合わせいただいたのに対応できなかったお客様に対してメッセージを送信し、取りこぼしを減らせるという大きなメリットがあります。
コールトラッキングツールには、電話コンバージョンに至ったキーワード、デバイス、媒体などのリファラ情報を計測できるツールがあります。
広告運用の最適化を目的としている企業様には必須です。
国内外の企業から複数のコールトラッキングツールが販売されていますが、大きく3種類に分類されます。
それぞれのシステムのメリット、デメリットを見てみましょう。
※録音やIVRといった電話システムとしての大きな違いはありません。
2.や3.と比較して、費用が安価になることが多いです。
計測粒度ごとにLP(ランディングページ)を用意する必要があるため、管理に手間がかかります。
費用が比較的安価で、WEBサイトに変更(タグの埋め込みは必要)・複製を加えることなく計測が可能です。
計測粒度やセッション数によっては、膨大な数の電話番号が必要になります。
※特に「0120」番号は数が限られるため、大規模サイトでは必要数の番号確保が困難な場合もあります。
柔軟なルール設定により、大規模サイトでも少ない電話番号で対応ができます。
ルール設定の内容次第では、1.や2.と比較して、費用が高価になることがあります。
コールトラッキングツールを選ぶ際に確認すべき6つのポイントをご紹介します。
コールトラッキングツールによっては、電話番号ごとの入電数、発信者番号、通話時間、録音機能の有無などの基本的な電話システムの機能を備えていないサービスもあります。
また、発信者番号の表示にも対応していない場合もあるので、必ず機能を確認しましょう。
コールトラッキングツールの料金体系はわかりにくいことが多く、ツール費用の他に電話番号の取得や維持費用、通話料金などが関わってくる場合もあります。
ツールの機能によっては担当者の作業工数も大きく変わってくるため、人権費などの観点からも、しっかりと費用対効果を検討してください。
コールトラッキングツールには外資系企業が開発したものがいくつかあります。
開発拠点が海外の場合は、国内開発のサービスに比べて、カスタマイズや機能に関する問い合わせに時間がかかることがあります。
サービスによっては、WEBサイト上に表示している電話番号をJavaScriptで変更できる機能があります。
この機能があると、LP複製作業などの手間を省くことができ、作業の効率化につながります。
コールトラッキングツールの電話CVデータをGoogleアナリティクスに受け渡すことができると、Googleアナリティクス上での分析に活用することができます。
各種アクセス解析ツールを利用することで、電話CVユーザーの動きを分析し、サイト改善につなげることができます。
Google広告、Yahoo!広告に出稿している場合、このポイントについても確認しておくと良いでしょう。
この機能に対応していると、以下2つのメリットがあります。
コールトラッキングを利用する際には以下2つの注意点があります。
最初の問い合わせの際に、お客様が後でもう1度かけ直したい、電話番号が知りたいと要望されることもあるかと思います。
このような場合に会社の代表電話番号を伝えてしまうと、トラッキング計測ができません。
そのため、お客様が電話をかけ直したいと言った場合には、トラッキング計測可能な電話番号を伝えるよう担当者全員で共有しておきましょう。
バナー等の画像に電話番号を載せているWEBサイトもあります。
コールトラッキングを利用しておらず、どの媒体からの電話番号も同じであれば問題ありませんが、媒体によって電話番号が変わる場合は混乱を生む可能性があります。
(チラシに書かれている電話番号とWEB上で表示されている電話番号が異なる等)
コールトラッキングを利用する場合は、バナー等の画像には電話番号を載せないように注意しましょう。